結界陣の箱庭
先生と放浪騎士と、ゆかいな仲間たち
日常。
そんな彼らのいつもの日常。
ゲーム終了後半年後くらい。
「アルポンス!」
大型犬が部屋に呼ばれる。朝のありふれた光景の一つ。その犬に差し出されるのは一通の封筒。魔力を帯びたそれを受け取ると家を出て行った。そのまま村の入り口にたどり着くと、そこには美しい鳥が一羽。アルポンスの姿を見かけると、すぐに近付く。やがてアルポンスから手紙を受け取ると、村の上空を旋回して、空高く飛び立っていった。
戻ったアルポンスにご褒美を上げたのはクインシーだった。骨付き肉に貪りつく。それがいつもの朝の光景の一つだった。
主人は今日も今日とて研究に没頭。ときに魔法師なのか、植物学者なのかわからなくなるが、彼はれっきとした大魔法師だ。
朝出した手紙の内容が実行されたのは、もう夕刻と読んでいい時間帯だった。
「遅くなってすみません。」
呼び鈴なしで入ることを許された人物の到来によって、それは果たされる。急いで来たのか、息を切らし風で乱れた髪を整えて室内へと入る。その声を聞きとめたのか、家主自らが出迎えた。
「今日は検診があることを失念していました。昼には着くと思っていたのですが…。」
すみません、と頭を下げる黒衣の青年をアエルロトと呼んだ家主、クロモドは首を横に振った。
「それより走ってきたのか。万全ではないのだ、明日に延ばしてもよかったんだぞ。」
「いえ、私が来たかったのです。貴方が私を必要としているときに。」
そう言うと、アエルロトは持ってきたカバンから袋を取り出しクロモドへと手渡す。
「頼まれていたものです。上手く調合できたので、今回は上手くいくかもしれません。」
大事そうに包まれたそれを、クロモドは両手で受け取った。
「礼を言う。これでまた一つ近付くな。」
クロモドが淡く笑うのを見て、アエルロトの表情も綻んだ。
これが彼らの日常。
「今日は当然泊まっていくのだろう?」
「はい、お邪魔しますね。」
大きめの荷物を持ってきたアエルロトに、クロモドは満足そうに笑った。
ゲーム終了後半年後くらい。
「アルポンス!」
大型犬が部屋に呼ばれる。朝のありふれた光景の一つ。その犬に差し出されるのは一通の封筒。魔力を帯びたそれを受け取ると家を出て行った。そのまま村の入り口にたどり着くと、そこには美しい鳥が一羽。アルポンスの姿を見かけると、すぐに近付く。やがてアルポンスから手紙を受け取ると、村の上空を旋回して、空高く飛び立っていった。
戻ったアルポンスにご褒美を上げたのはクインシーだった。骨付き肉に貪りつく。それがいつもの朝の光景の一つだった。
主人は今日も今日とて研究に没頭。ときに魔法師なのか、植物学者なのかわからなくなるが、彼はれっきとした大魔法師だ。
朝出した手紙の内容が実行されたのは、もう夕刻と読んでいい時間帯だった。
「遅くなってすみません。」
呼び鈴なしで入ることを許された人物の到来によって、それは果たされる。急いで来たのか、息を切らし風で乱れた髪を整えて室内へと入る。その声を聞きとめたのか、家主自らが出迎えた。
「今日は検診があることを失念していました。昼には着くと思っていたのですが…。」
すみません、と頭を下げる黒衣の青年をアエルロトと呼んだ家主、クロモドは首を横に振った。
「それより走ってきたのか。万全ではないのだ、明日に延ばしてもよかったんだぞ。」
「いえ、私が来たかったのです。貴方が私を必要としているときに。」
そう言うと、アエルロトは持ってきたカバンから袋を取り出しクロモドへと手渡す。
「頼まれていたものです。上手く調合できたので、今回は上手くいくかもしれません。」
大事そうに包まれたそれを、クロモドは両手で受け取った。
「礼を言う。これでまた一つ近付くな。」
クロモドが淡く笑うのを見て、アエルロトの表情も綻んだ。
これが彼らの日常。
「今日は当然泊まっていくのだろう?」
「はい、お邪魔しますね。」
大きめの荷物を持ってきたアエルロトに、クロモドは満足そうに笑った。
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非公開
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サーバー:アテナ
遠征隊名:非公開
宛もなく流離う放浪者
クロモドとアエルロトが好き過ぎる人です
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